復讐日記
「……別に、いいです」


あたしはそう言った後奥歯を噛みしめた。


ミオリの手に渡るくらいなら、あたしがあの時買っていればよかったんだ!


思えば、剛の名前を書かなければいいだけの話だ。


自分が幸せになるように書けばよかったのに!


復讐日記のことばかりに気を取られて、そんな単純なことに気が付く事ができなかったのだ。


雨は更に強さを増す中、あたしは店から出たのだった。
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