復讐日記
☆☆☆

それからあたしたちは花音の家へと移動して来ていた。


すっかり冷え切った体のあたしに、花音は暖かなココアを出してくれた。


あたしの知っている優しい花音だ。


復讐日記をあたしから奪い、あたしが襲われるように書いたなんて信じられなくなってきてしまう。


花音は好きな人のためならなんでもしてしまうタイプなのかもしれない。


「宏哉についてはなにも書かない。それでいい?」


ペンを持って花音へそう聞くと、「とにかく書いて」と、言われてしまった。


剛とミオリの事を書いていても、途中で止められるかもしれないということだ。
< 234 / 321 >

この作品をシェア

pagetop