復讐日記
「なに……?」


そう呟いた次の瞬間、一際大きな泡が2つ浮かんできた。


ボコンッと音を立てる泡。


それは剛の両親の顔をしていて、首から下がない。


真っ赤に染まった顔がこちらへ向き、ニタリと笑顔を見せた。


「久しぶりねぇ、彩愛ちゃん」


剛の母親がそう言った時、ハッと目が覚めた。


いつの間にか湯船の中で眠ってしまっていたようだ。


周囲を見回してみるが、剛の両親の姿はどこにもない。


「最低な夢」


そう呟き、すぐにお風呂を出た。


今日の夢はどこか変だ。


今までだって復讐で起こった出来事を思い出すことはあった。


でも、今日のはなにかが違う。
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