復讐日記
気が付けば、涙で視界が滲んでいた。


「花音……」


そう呟いてスマホを取り出す。


今、ものすごく花音と話がしたい。


少しでもいいから声が聞きたい。


そう思い、自転車を脇に止めて電話を鳴らした。


けれど何度も鳴らしても花音は出なかった。


用事をしていて忙しいのかもしれない。


そう思い半面、あたしたちの関係はもう終わってしまったのだと思い、更に涙が滲んできた。


花音……。


あたしはその場にうずくまり、声を殺して泣いたのだった。
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