復讐日記
ミオリは前回会った時よりも髪を切り、スッキリとしている。


その表情はとても明るくて元気そうだ。


イジメられているような気配は感じられない。


「ミオリちゃん?」


通り過ぎる寸前、あたしはそう声をかけた。


「え……?」


突然声をかけられたミオリは怪訝そうな顔を浮かべている。


「いきなり呼び止めてごめんね、逆藤剛って知ってるでっしょ?」


剛の名前を出すと、ミオリの表情が緩んだ。


「知ってますよ」


「あたし、剛の従兄なの。剛の両親の葬儀にも出たんだけど、あの時は大変なことになったでしょ? だから剛に挨拶もせずに帰っちゃったの」
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