復讐日記
☆☆☆

やっぱり奥さんも幻なのかもしれない。


部屋から街を見つめると雪がどんどん溶けて行く様子を見ることができた。


今頃ミオリは落ち込んでいるだろうか。


想像すると笑えた。


あたしは鞄の中にしまっていた幸せ日記を取り出した。


これを捨てれば、あたしの復讐はまた再開させられる。


指先から伝わって来る日記の温度は、復讐日記よりも随分暖かい気がした。


これに身をゆだねれば、あたしも幸せになることができるんだろうか。


鞄から筆箱を取り出してペンを持った。


日記を広げ真っ白なページを見つめる。
< 283 / 321 >

この作品をシェア

pagetop