復讐日記
トラックにはねられて首だけになってしまった剛の両親を思い出す。


途端に吐き気が込み上げてきて、あたしはトイレに走っていた。


今までも何度もあの光景を思い出していた。


それでもここまで気分が悪くなったのは初めてだった。


「大丈夫?」


個室の外から吉野さんの声が聞こえてくる。


あたしは手の甲で口元をぬぐい、トイレを出た。


「大丈夫です」


「フラフラじゃない。どこかで休ませてもらえたらいいんだけど……」
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