復讐日記
「あたしは大丈夫です」


どこかで休憩している暇なんてない。


両親が生きるか死ぬかの瀬戸際に立っているのだから。


トイレを出た時、丁度手術中のランプが消えるのを見た。


ハッとしてドアまで駆け寄る。


先生が出てくるまでの時間が、永遠のように長く感じられた。


「先生、母と父は……?」


出て来た白衣の先生を呼び留めてそう質問する。


すると先生は無言のまま左右に首を振ったのだ。
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