復讐日記
あたしの隣で吉野さんが息を飲む音が聞こえて来た。


けれど、あたしには先生の言っていることの意味が理解できなかった。


無言で左右に首をふるだけで、何を理解しろというんだろう。


質問を続けようとした時だった。


手術室から2台のベッドが運び出されてくるのを見た。


「お父さん、お母さん!」


やっぱり大丈夫だったんだ。


あたしの両親が死ぬわけがない。


だって、復讐日記はちゃんと最後まで書いたんだから!


笑顔でベッドを覗き込んだとき、凍り付いた。
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