復讐日記
☆☆☆

コートも傷に外へ出ると、師走の寒さに震えた。


けれどそれで少しは頭がスッキリした気がする。


家には沢山の親戚や、スーツ姿の見たことのない人たちが頻繁に出入りしている。


その人たちはあたしを見ると、一様に憐れんだ表情を浮かべた。


その視線から逃げるように歩き出す。


吉野さんはどこまで買い物に行ったんだろう。


こんな時に1人にしないでほしい。


そう思い、早足になったその時だった。


前方から吉野さんが歩いてくるのが見えた。


手には買い物袋を持っている。


「吉野さん!」

< 302 / 321 >

この作品をシェア

pagetop