復讐日記
「彩愛……」


あたしはうつむき、彩愛を直視することができなかった。


彩愛の両親はその後自殺をしてしまったが、それも彩愛本人はいいように改ざんして記憶している。


「でもね、あたしはとっても幸せなんだよ! だって、幸せ日記に書いたんだもん!」


この『幸せ日記』というものも、彩愛の妄想だった。


『復讐日記』と『幸せ日記』だと、『幸せ日記』の効力の方が強いのだそうだ。


もう、意味がわからない。


「彩愛……早く元に戻ってよ……」


警察病院の中、囚人となってしまった親友を見つめてあたしはそう呟いたのだった。
< 320 / 321 >

この作品をシェア

pagetop