復讐日記
歩行者の2人に気が付き、大きなクラクションが鳴った。


しかし2人は棒立ちになり動けない。


次の瞬間……2人の体は空高く跳ね飛ばされていた。


それはまるでスローモーションのようだった。


跳ねあげられた2人の体から鮮明な血があふれ出し、空中で虹のように弧を描いた。


それは花火のようにパラパラと散らばって落下して行き、コンクリートに真っ赤な花びらを描く。


あたしは唖然としてその光景を見つめているだけだった。


何もできない。


動くことすらできなかった。

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