復讐日記
そんな中、2人の体の一部がバラバラと落下し始めた。


飛び出した内臓、千切れた指、そして、頭部。


2つの頭部はまるでボーリングの玉のようにクルクルと回転しながら空中を舞い、ゆっくりゆっくり落ちて来る。


「あっ……」


思わず声が漏れていた。


逃げようという気持ちが焦り、足が一歩前へと出る。


しかし、間に合うはずがなかった。


頭部はこちらめがけて落ちて来る。


いち早く気が付いた人が逃げて行くのが見える。


あたしも、逃げなきゃ


そう思うのに、まるでコンクリートにくっついてしまったかのように、足は動いてくれない。
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