復讐日記
けれど、周囲の車は異変に気が付き、横断歩道に侵入していなかった。


それなのに……走って来たトラックは減速せず、2人に突っ込んでいった。


「信号機が壊れてたの?」


あたしは母親へ向けてそう聞いた。


「そうみたいね。全部の信号が青になるところを、沢山の人が目撃してたみたい」


母親は何度も頷き、そう言った。


やっぱりそうなんだ。


機械は所詮人間の作ったものだ。


不具合が起こっても不思議じゃない。


でも、周囲の車が停止している中、トラックだけが突っ込んでくることは不思議だった。
< 45 / 321 >

この作品をシェア

pagetop