復讐日記
「2人を撥ねたトラックは?」


そう聞くと、途端に母親は暗い表情になった。


なにかあったのかもしれない。


「トラックの運転手さんは、横断歩道に突入する少し前心臓発作を起こしていたらしいの」


「心臓発作……?」


あたしは目を見開いてそう聞き返した。


それじゃ、2人を撥ねる前にすでに死んでいたのかもしれない。


ブレーキが踏まれることはあり得なかったんだ。


あたしは今朝自分で書いた日記の事を思い出していた。


剛の両親が交通事故で死ぬように書いた。


「偶然……?」


「なにが?」


「ううん、なんでもない」


あたしはそう言い、自分の体を両手で抱きしめたのだった。
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