復讐日記
「は? そんなの無理に決まってんだろ」


剛は見ていた漫画から視線を上げずにそう答えた。


「でも、このままだとあたしたち別れさせられるかもしれないし!」


「そうなったら、仕方ないだろ」


『仕方ない』


剛が欠伸交じりにそう言った言葉は、今でも胸に突き刺さったままだ。


剛からすれば子供をおろすことも、あたしと別れることも『仕方ない』と割り切れる事なんだ。


両親を説得する気もなければ、あたしと付き合い続けるつもりもない。


最初から、その程度だったんだ。


あの瞬間、あたしの中の剛の姿がガラガラと崩れ落ちて行った。

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