復讐日記
ブレーキがきかない自分の足に焦った、その時だった。


路地の反対側から1人の男が現れた。


黒い服を着てフードを深くかぶっている。


反射的に悲鳴を上げそうになったのに、声は全く出なかった。


乾いた空気が喉から抜けていく。


怪しい男の雰囲気に冷や汗が流れて行くのを感じた。


それなのに、ミオリは全く動じることなく歩き続ける。


あたしも足も止まらない。


「あ……もしかして」


ツッと冷たい汗が額から頬へと流れおちて行く。


もしかして、あの日記に書かれた事は誰にも邪魔できない?


書いた本人であっても、それを止める事はできない?
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