復讐日記
「それじゃ2人はこれからどうするの?」


「とりあえずは両親が残してくれた貯金がある。家も一戸建てだし、どうにかやりくりするよ」


そう言い、ため息を吐き出す宏哉。


「俺がバイトしないといけなくなるかもしれないから、そうなったら彩愛と会う時間も減る」


そう言って宏哉はあたしの手を握りしめて来た。


咄嗟に跳ね除けてやりたくなったが、必死で我慢した。


好きでもない男に手を握られるのは、不愉快なだけだ。


「頑張ってね」


あたしはそう言い、無理してほほ笑んで見せたのだった。
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