復讐日記
葬儀は滞りなく進んでいった。


お経と会場の薄暗さがほどよく眠気をさそう。


あたしはチラリと非常口の場所を確認した。


青く光る非常口。


「ちょっと、トイレ」


隣に座る宏哉にそう言い、席を立った。


あたしの足はトイレとは逆方向の非常口へと向かう。


この辺にいればきっと大丈夫だ。


この後、なにが起きてもね。


あたしは会場を全体をグルリと見回した。


何人くらいいるだろうか?


ザッと見て300人くらいいるかもしれない。


普通よりも少し多いと感じられる人数に、剛の両親の人柄を感じられた。
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