色眼鏡
「よかったら、外に出て度数を確認してみてください」


「え、いいんですか?」


確かに、店内を見回してみても眩しくてしっかりとはわからないと思っていたところだった。


「構いませんよ。気に入ればそのまま差し上げましょう」


男性の言葉にあたしは苦笑いを浮かべた。


さすがにそれは嘘だろう。


だけど、この眼鏡をかけて歩いてみたいという気持ちになった。
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