色眼鏡
今日の見学はあたしと夏生の2人だけだから、得点係りから逃れることもできそうにない。


あたしは諦めて眼鏡をかけた。


体操着姿のクラスメートたちが左右のコートに別れて試合を開始している。


あたしと夏生はそれぞれのコートの試合を見て、得点を入れていくことになった。


せっかく見学組なのに、これじゃあまり休めない。


そう思っていると、ボールがこちらへ飛んでくるのが見えた。


手を伸ばし、それをキャッチする。


「ごめん里菜!」


美穂がコートの中から手を上げてそう言った。


「どんまい!」


声をかけてボールを戻す。


すると今度はボールがコートの外に飛び出して行った。
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