色眼鏡
「里菜、ボーっとしてなにしてんの?(ほんと、ドン臭いよね)」


「得点入れたんだけど(1人で突っ立って、笑える)」


「早くしてよ里菜!(かわいそー。完全にぼっちじゃん)」


クスクス。


聞こえないはずの笑い声まで聞こえて来た。


クスクス。


クスクスクスクスクスクス。


世界が歪み、崩壊していく。


たった1つの間違いが、すべてを奪い去って行く。


あたしはボールを握りしめたまま、彼女たちの作り上げたイジメという名前の檻の中へと放り込まれたのだった……。
< 102 / 258 >

この作品をシェア

pagetop