色眼鏡
それだけでも、人より少し世界が広がったような気がした。


1人での帰り道も、悪くないと思える日がきっと来る。


そう思っていた時だった……。


「なに勝手なことしてんの?」


そんな声が聞こえてきてあたしは周囲を見回した。


眼鏡をかけて声の出元を探す。


裏路地へと進んでみると、美羽の姿が見えた。


美羽だけじゃない。


桜子とアヤの姿もあった。


アヤは2人と険悪な関係になったハズなのに、いつの間に仲直りしたんだろう。


そう思って見ていると、奥にもう1人いることに気が付いた。


夏生だ。
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