色眼鏡
「里菜には話かけるなって言ったと思うけど」


「メモで回ってきただけなのに、どうしれそれに従う必要があるの?」


夏生の強い言葉に美羽が顔をしかめた。


「だいたい。ついこの前はアヤがどうのって言ってなかった? どうして急に変わったの?」


「ゴチャゴチャうるさいな!」


美羽が怒鳴り、夏生の肩を強く押した。


夏生は体のバランスを崩してその場に尻もちをついてしまった。


「あっ!」


それを見た瞬間、思わず声が出てしまっていた。


慌てて口を塞いでも、もう遅い。
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