色眼鏡
☆☆☆

夏生のお婆ちゃんがいる老人ホームは小高い丘の上にあった。


小さくて可愛い家みたいな老人ホームだ。


「こんにちは」


「あら夏生ちゃんいらっしゃい」


ホームの授業員さんと挨拶を交わし、部屋へと向かう。


1つ1つの部屋のドアにはウサギやクマのぬいぐるみがかけられていて、それで判別しているようだ。


「お婆ちゃん来たよ」


カメのぬいぐるみがかかっている部屋の前で足を止めて、夏生がそう言った。


ノックをして部屋に入る。
< 127 / 258 >

この作品をシェア

pagetop