色眼鏡
あたしが使っている眼鏡も、重さがないんじゃないかと思うくらい、軽かったからだ。


息を吸い込んで眼鏡ケースを開けてみた。


そこに入っていたのは赤い眼鏡だった。


金粉かどうかわからないけれど、金色の輝きも見せている。


「本当だ。すごく似てるね」


「そうだよね。お婆ちゃん、この眼鏡のことを言ってたんだと思う」


あたしは試しにそれを手に取ってみた。


キラキラと輝くフレームがまるで宝石のようだ。


「里菜、かけてみたら?」


「あたしが?」
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