色眼鏡
「ダメ。なにも聞こえない」


あたしはそう言って眼鏡を外した。


「そっか。結構頑張って探したんだけどな」


落胆した声を出す夏生。


「今日、お婆ちゃんにこれを見せに行ってみようよ。せっかく夏生が探してくれたんだからさ」


「そうだね。そうすればまたなにかわかるかもしれない」


さっそく、今日の放課後老人ホームへ向かうことになったのだった。
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