色眼鏡
夏生にそう言われると、眼鏡はファッションの1つだということを思い出した。


レンズの入っていない眼鏡をわざわざかけている人もいる。


「夏生もかけてみたら?」


そう言って青いフレームを手に取ってみる。


爽やかな色合いが夏生に似合いそうだ。


「どうかなぁ?」


夏生は眼鏡をかけて鏡に自分の顔をうつしている。


「お客様、本日は閉店となります」


今まで奥の事務所にいた店員の男性が慌てた様子でそう言いに来た。


「え?」


営業時間は夜の10時までと書いてある。


今はまだ夕方だ。
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