色眼鏡
「申し訳ございません。こちらの都合により、急きょ早めの閉店になったんです」


「そんな……」


フサエさんが言っていた、代用品はないと言う言葉をまた思い出していた。


「すぐに買いますから! ね、里菜?」


夏生にそう言われて、あたしは頷いた。


丁度手に持っていた眼鏡を店員へ差し出す。


似合うかどうかの確認はできていないけれど、そんなのもうどうでも良かった。


とにかく他の眼鏡がほしい。


「申し訳ございません。またお越しくださいませ」


その言葉に、あたしはその場に立ち尽くしてしまったのだった。
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