色眼鏡
それから数分後、教室のドアが大きく開かれてクラスメートの岡美羽(オカ ミウ)が教室へ入って来た。


ゴールデンウィークを挟んで美羽は余計に派手になった気がする。


茶色の髪の毛をアップして、まるでキャバクラ嬢みたいだ。


そう思い、美羽から視線を離した。


「あれぇ? 里菜、眼鏡変えた?」


美羽にそう声をかけられてあたしは仕方なく顔をあげた。


はやく自分の席につけばいいのに、美羽はあたしと美穂の前で立ちどまってしまった。


「うん」


「へぇ! 綺麗じゃん! 似合ってるね」


美羽の言葉に少しだけ嬉しくなる。


この眼鏡を褒められると、まるで自分が褒められているような感覚になるのだ。
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