色眼鏡

「５年前、なにかあったのかな……」


それからも調べてみると、女性の最後の書き込みと思われるものを見つけることができた。


『私がしようとしていることは現実的じゃない。だから、他の力も借りようと思う』


それがどういう意味なのか、全くわからない。


あたしは眼鏡を外してフレームの裏の文字を見つめた。


Color　glass。


「もしかして、彼女がこの眼鏡を作った……？」


そう呟いて、そんなわけないと思い直して小さく笑った。


こんなものを作れる人間なんているわけない。


忽然と消えた店の謎だって残っている。