色眼鏡
そこまで考えて、彼女の最後の書き込みを読み直した。


『私がしようとしていることは現実的じゃない。だから、他の力も借りようと思う』


「他の……力……?」


彼女は本当に、人の本心が聞こえる眼鏡を作ろうとしていたのかもしれない。


だから様々な場所に書き込みをしていた。


けれど人知を超えた開発は簡単ではなかった。


だから他の力を借りた……?


例えば……神様とか?


あの店の男性の姿を思い出して、あたしはそう思った。


夢の中に出て来た男性はまさに神様といういで立ちをしていたから。


「バカバカしい」


そう呟いてサイトを閉じた。
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