色眼鏡
避ける
なにかわかりそうなのに、わからない。


color glassと名乗る女性と連絡が取れればいいのだけれど、その手段を見つける事は今のところできそうになかった。


彼女がいた掲示板などで書き込みをしてみたけれど、5年も前から書き込みされていないから返事があるとは思えなかった。


「里菜おはよー」


教室に到着すると美穂がそう声をかけて来た。


何事もなかったかのようにふるまっている。


「……おはよう」


あたしはひきつった笑顔でそう返事をした。


あたしが無視されていた時に声をかけてくれたのは、夏生だけだった。
< 167 / 258 >

この作品をシェア

pagetop