色眼鏡
あたしはマジマジと男性の記事を見つめた。


「これ、里菜に聞いた話そっくりじゃない?」


「そっくりっていうか、そのままだよ!」


あたしは自分の心拍数が上がって来るのを感じていた。


「だよね。この人まだこの眼鏡を持ってるかもしれないよ」


「そうだよね。連絡を取る事ができたら、なにかわかるかもしれない!」


一気に期待が膨らんでいく。


あたしは画面をスクロールしてコメント欄を表示させた。


記事自体もまだ新しい、これなら返事をしてくれるかもしれない!


「ただ、相手は男の人だから気を付けた方がいいよ」


夏生の言葉にあたしは頷いた。


ネット上の人に安易な気持ちで会っちゃいけない。


そのくらい、理解しているつもりだった。
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