色眼鏡
「フサエさんも眼鏡について知りたいんじゃないかな」


そう言うと夏生はうんうんと頷いてくれた。


「でも、お婆ちゃんはあの眼鏡にいい印象を抱いてないから、また混乱するかもしれない」


あたしはこの眼鏡を見た瞬間人が変わったように叫び出したフサエさんを思い出した。


フサエさんにとっては思い出したくないことなのかもしれない。


「それなら眼鏡を外して行く。混乱させないように、口だけで説明する」


「わかった。じゃあ今日の放課後行ってみよう」


こうしてあたしと夏生は再び老人ホームを訪れることになったのだった。
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