色眼鏡
もしも、この眼鏡を作ったのが神様で、必要な人間の手に渡るようになっていたのだとしたら?


「いる、のかもしれないよね」


「里菜も結構宗教深いんだ」


「そうじゃないけど……」


今までのあたしなら、神様と幽霊は同等の存在で、いないものだと即答したと思う。


でも今はそう言えなかった。


神様はいるのかもしれない。


そして人間を作り上げたのかもしれない。


「次に行った時には元気になってるといいね」


あたしはそう言ったのだった。
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