色眼鏡
あたしと夏生は改札口のわかりやす場所で男性を待つ事にした。


「相手の顔はわかるの?」


「うん。昨日写真もらってる」


そう言ってあたしはスマホで送られて来た写真を表示させた。


短く刈りあげられた髪と、ツンとした目が印象的な人だ。


「ちょっと怖そう」


夏生がそう言って苦笑いを浮かべた。


「だよね……」


だからこそ、1人じゃ会う事もできなかっただろう。


しばらくすると、写真と同じ顔の男性が歩いてくるのが見えた。


緊張から背筋が伸びる。
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