色眼鏡
想像以上に背が高く、ガッシリとした体型だ。


「里菜ちゃん?」


改札を抜けた男性が真っ直ぐこちらへやってきて、そう声をかけてきた。


「は、はい」


思わず声が裏返ってしまった。


「友達の夏生です」


夏生が自分からそう自己紹介をした。


声は落ち着いている。


「はじめまして、俺は安田真太郎(ヤスダ シンタロウ)」


男性はそう言って会釈してきた。


あたしも同じように会釈する。
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