色眼鏡
気を取り直してお弁当箱を取り出した。


教室の中がお昼の匂いで満たされて行く。


いろんなお弁当があちこちで花開く。


「今日も美味しそうだね」


美穂があたしのお弁当を覗き込んでそう言って来た。


「好きなの1つあげる」


「ありがとう! 里菜も取っていいよ」


そう言ってあたしにお弁当を差し出して来た。


あたしは美穂のお弁当からミートボールを1つもらった。


他の子たちもあたしたちと同じことをしている。


今女子たちの間では、お弁当の具を交換することが流行っているのだ。
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