色眼鏡
☆☆☆

翌日、目が覚ると丁度夏生からメッセージが送られて来たところだった。


《お婆ちゃん熱下がったって!》


「そっか、よかった」


ホッと胸を撫でおろしてそう呟いた。


《じゃあ今日会う事ができるの?》


《たぶん大丈夫だよ》


フサエさんが眼鏡を買った時、なにを感じていたんだろう。


安田さんと同じように誰かの本心を知りたいと思っていたんだろうか?


それが聞けるといいけれど。


あたしは期待に胸を膨らませて、着替えを始めたのだった。
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