色眼鏡
そんな中、美羽たちのグループが立ち上がり黒板へと向かって行った。


彼女たちはすでに食べ終えているのか、さっきから騒がしい。


その時、美羽がチョークを持って黒板に落書きをし始めたのだ。


チョークの粉がパラパラと落ちて行く。


あたしは無意識の内にお弁当箱を黒板から遠ざけていた。


美羽たちはこういう配慮に欠けていると思う。


悪い子たちではないけれど、周りが見えていないのだ。


「美羽たち、ほんとあり得ないし」


美穂がそう言ったのであたしは慌てて「声が大きいよ」と、囁いた。


「え、なにが?」


キョトンとした表情を浮かべる美穂。
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