色眼鏡
「お母さん……」


「ビックリしたのよ。倒れたって夏生ちゃんから連絡がきて!」


そう言い、駆け寄って来る。


「ごめんなさい……」


泣きそうなお母さんの顔を見ると、自然と謝ってしまう。


お母さんがあたしの手を握りしめて来た。


相当怖かったのか、その手は微かに震えている。


「お母さん、あたしは大丈夫だから」


そう言って身を起こそうとしても、止められてしまった。


念のために1日入院して、明日色々と検査を受けることになっているようだ。


「ごめんね夏生、迷惑かけちゃって」


「あたしのことは気にしないで。しっかり治してね」


夏生はそう言い、ほほ笑んでくれたのだった。
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