色眼鏡
☆☆☆

翌日の検査を受けていると、途中で晃がお見舞いに来てくれた。


「晃、今日学校は?」


「ちょっとだけサボり」


そう言って笑う晃は買い物袋を持っていて、中にはフルーツが入っていた。


これじゃ完全に病人扱いだ。


「晃が教室を抜け出てきたら、みんな心配するよ」


あたしはフルーツを受け取り、そう言った。


「は? なんでみんなが心配するんだよ」


晃はキョトンとした表情を浮かべている。


自分の人気を自覚していないようだ。


そう考えてハッとした。


「誰にもここに来るって言ってないよね!?」


「あぁ、言ってないけど?」


その返事にホッと胸をなで下ろした。
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