色眼鏡
☆☆☆

「やっぱり、里菜の部屋って綺麗だね」


「そんなに見ないでよ、恥ずかしい」


あたしは夏生にクッションを進め、自分はカーペットの上に座った。


「ごめんごめん。で、最近悩んでることは?」


途端にそう聞かれてあたしは夏生を見た。


「せっかく2人きりなんだし、なんでも吐き出してみてよ」


「そうだよね……」


あたしは頷き、今日夢で見たことを話し始めた。


あの不思議な店の男性と過去にここで会った事があること。


だけどあたしはそれを忘れていること。


あたしの曖昧な話を、夏生は真剣に聞いてくれた。
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