色眼鏡
「このお店ってなんなんですか? 夢の中にしかないお店なんですか?」


そう聞くと、男性は小さく笑い声を上げた。


「今は夢の中だけど、君はちゃんとその眼鏡を持って帰ったじゃないですか」


あたしは自分の眼鏡に触れた。


そうだ。


これは夢じゃない。


現実にあたしが持っている眼鏡だ。


「でも、あたしがお店を出た後、このお店は消えましたよね?」


そう質問をした時だった。


不意に世界が歪んだ。
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