色眼鏡

悪口

あたしにはみんなの心の声が聞こえてきているんだろうか？


普段は口に出せないこと。


性格の裏側。


リビングのソファに座り、あたしはぼんやりとそんな事を考えていた。


《里菜、プリント持って来たよ》


美穂からそんなメッセージが届いて、同時に玄関のチャイムが鳴らされた


「美穂？」


「やっほー。体調大丈夫？」


そう言いながら美穂があたしにプリントを差し出してくれた。


聞こえて来た言葉を思い出し、無意識の内に警戒してしまう。