色眼鏡
引き寄せられるように赤い眼鏡に近づいていく。


キラキラと輝くフレーム。


ただ赤いだけでなく、金色に輝いて見える部分もある。


「お目が高いですね。その眼鏡のフレームには金粉がついているんですよ」


後ろからそう声をかけられて、あたしは伸ばしかけた手をひっこめた。


金粉があしらわれた眼鏡なんてとんでもなく高いに決まっている。


けれど、見る角度によって輝き方を変えるそれから、目を離す事ができなくなっていた。
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