色眼鏡
☆☆☆

学校から一番違い眼鏡屋は歩いて20分ほどの場所にあった。


大きくて広い店内。


しかし、あの店ほどのきらびやかさはなかった。


「いらっしゃいませ」


女性の店員がにこやかに出迎えてくれる。


「あら、変わった眼鏡をお使いですね」


商品を見るより先にそう言われ、あたしは立ち止まった。


「そう……みたいですね。一点ものだって聞きました」


「金粉がちりばめられてるんですね。とても綺麗(この高校生なら、高価な商品を買ってくれそう)」


「あの、予算は2万円くらいのを探してるんです」


あたしはすかさずそう言った。
< 79 / 258 >

この作品をシェア

pagetop