色眼鏡
☆☆☆

気が付けば保健室にいた。


ぼんやりとした視界で、今は眼鏡を外しているのだと気が付いた。


カーテンが引かれていて向こうの様子はわからなかったけれど、人の気配は感じられなかった。


誰もいないのかもしれない。


その事にホッとため息を吐き出した。


もう、誰の声も聞きたくなかった。


どんどん友達やクラスメートたちのことが信用できなくなってくる。


どんな顔をして美穂に会えばいいのかもわからない。


今日は早退しよう。


そう考えた時、ドアが開く音が聞こえて来た。
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