色眼鏡
見た目や雰囲気がすごく大人びているため、みんな少し距離を置いているのだ。


「夏生……」


「体調大丈夫?」


「うん。ありがとう」


あたしは頷いてそう返事をした。


「次、体育の授業なんだけど、どうする?」


「早退しようかと思って」


そう言うと、「みんな、里菜が来るの待ってるよ」と、言われた。


「え?」


「たぶん、心配してるんだと思うけど……」


煮え切らない口調でそう言う夏生。


「体育なら、夏生も早く着替えなきゃいけないでしょ」
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